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JPMがお届けする不動産コラム 2008/12/1 vol.45
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■『セミ・所有』という新しい考え方
急速なネットの普及に伴い、誰でも欲しい情報が手に入れられる時代になりました。
その結果、従来よりも多くの考え方や選択肢が生まれてきています。
「住まい」に関しても例外ではありません。
従来、住まいに関しては大別して二択だったと思います。
「買うか、借りるか」
もし「買う」のであれば、基本的にはそこに腰を落ち着けて住む前提で、みたいな感じでしたよね。
ただ最近は、中古マンションを求める人の傾向として、「○○年間だけ住むために買う」といった『セミ・所有』な目的の方が増えてきています。
例えば、
「長男と次男が大学に通う○○年間だけ使う予定で」とか、
「田舎の親と同居するまでの○○年間だけ使う予定で」
といった具合です。
今まであれば、こういった目的の人の多くは、賃貸を選択していたと思います。
今でも割合で言ったら大多数の人がそちらを選択することでしょう。
では、『セミ・所有』を選ぶ人たちの理由って何なんでしょう?
そこには驚きの計算が隠されていました!
■驚きの計算とは?
例えば5年間、15万円の家賃(ちなみに06年首都圏の平均坪賃料9258円から計算すると、15万円は約53㎡位の広さのお部屋が借りられる賃料になります。)のところに住み続ける
すると、15万円×12ヶ月×5年間=900万円になるわけです。
実際には、通常2年ごとに更新料なども掛かりますので、ざっくり1000万円近くの出費になる。
だったら、この5年間を半分の500万円の出費で済ます方法はないか?と考える。
でも、住みたい場所や広さは譲れない・・。
そんな方法、普通は無いと思いませんか?
でも、ちゃんとあるんです、そういう方法って。
答えは意外と簡単でした。
「5年間住んでも500万円以上値下がりしない物件を買う」ってことです。
例えば2500万円(ちなみに、08年7-9月の首都圏の中古マンションは、平均価格が2585万円、面積65.6㎡、築16年でした。)で取得した物件が5年後に2000万円以上で売れれば合格です。
一概には言えませんが、一定期間築年数が経過した中古マンションの価格下落率は、5年間だと概ね5~10%程度です。
2500万円×90%=2250万円ですから、マイナス250万円であれば十分です。
実際にはここに取得時・売却時に掛かる諸費用が掛かりますが、多めにみても200~250万円程度ですから、合計しても5年間で500万円しか住宅費が掛からないという計算は成り立つわけです。
これは、年金を含め将来に不安を感じ、資産形成と言うより資産防衛的な考え方に変わってきている人が増えてきていることが、一つの大きな原因だと思われます。
要は、1円でも他人(大家さん)のために使うお金を少なくして、自分のために使いたいってことですよね。
う~ん、賢い!
■『セミ・所有』を成功させるコツ
それ以外にも、防音や管理など賃貸より住居としての質が高いという理由や、単純に良質な物件の選択肢が増えたということをあげる人も増えつつあります。
ただ、いずれにしても『セミ・所有』を成功させるにはコツがあります。
それは、いずれ将来的には売却を前提にしているため、流通性が高い物件をチョイスするということです。
資産性とは流通性にほかなりません。
終(つい)の棲家としての住まいであれば、流通性は二の次でも良いでしょう。
でも、売却を前提にしている場合は、それではダメです。
そしてもう少し付け加えるならば、多くの場合、流通性は立地と比較する傾向にあります。
ですので、立地が良い物件を選ぶということが、『セミ・所有』を成功させる第一段階になってくると言っていいでしょう。
そのあたりを意識しながら、住まいに対する新しいアプローチの仕方を考えてみても面白いかもしれませんね!