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JPMがお届けする不動産コラム 2009/4/27 vol.53
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実需マーケットが好調です。
中古市場に続き、新築市場でも明るい兆しが見えてきたようです。
やっぱり、生活としての「住まい」は、景気・不景気の影響受けづらいんですね~。
たしかに、買っても借りても「住宅費」って必ず掛かってしまいますからね(^-^ა)
今回はちょっと新築マーケットの分析をしてみましょう。
本コラムの目的は、これから不動産購入を検討している皆さまに、「購入する前に知っていただきたい」情報を業界内部の事情も含めてお伝えし、購入後に「こんなはずじゃなかった・・・!」と後悔することが少しでもないようしていただくことです。
不動産取引は不慣れな方が大半ですが、きちんと事前に知識を習得しておけば恐れることはありません。
是非、少しでも皆さんのお役に立てていただければ幸いです。
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vol.53『最新マーケット情報・新築【09年4月】』
■契約率 大幅に回復!
中古マーケットの堅調ぶりに比べ、遅れをとっていた感がある新築マンション市場ですが、ここに来てようやく明るい兆しが見えてきたようです。
先日、不動産経済研究所が発表したデータによると、3月に首都圏で販売された新築マンションの契約率は、好不調の目安とされる70%を大幅に上回る78%を記録しました。
これは実に07年3月(80.5%)以来の高水準であり、一部では早くも「底打ち」の声も上がっているようです。
個人的には、季節要因や減少した供給数も考慮すると、まだまだ市況回復したとは言えないと感じていますが、08年12月に12.427戸とピークを記録した販売在庫数が、3月の時点で8.846戸と約3割減少したことは、出口がぼんやりと見え始めてきた印象を受けています。
■価格が2年前の水準に
好調の要因は複数考えられますが、一番は中古マーケット同様、価格調整が進んできたことでしょう。
3月の平均販売価格は4.747万円で、前年同月比5.3%マイナス(戸あたり261万円▼)
、前月比でも1.6%マイナス(戸あたり76万円▼)でした。
07年3月が4.706万円でしたから、ちょうど2年前の水準まで下がったって感じでしょうか。
ちなみに、07年5月までが契約率70%を継続して超えていた時期(好調期)でしたので、ある意味この時期の価格に戻せば売れる、というのは実証済みだったともいえますね。
ちなみに直近のピークは08年4月に記録した5.338万円でしたから、その時期と比べると11.1%(戸あたり591万円▼)も下がったことになります。
■政策の後押し
低金利が続く住宅ローンも追い風です。
4月現在、大手行の基準金利(毎月月初に発表されます)は表面上2.475%で
(http://www.realweb-net.jp/loan/index.html)が、ほとんどの場合、ほぼ無条件で「キャンペーン金利」等の名目でマイナス1%前後の優遇が受けられます。
そうなると実質1.475%前後が実行金利ということになります。
これは88年の4.90%や91年の8.50%、または海外に目を向けてアメリカの最新金利(4/16現在、変動1年)4.91%と比較すると驚くほどの低水準であることが分かります。
住宅ローンの金利は1%違うと、3000万円の借入の場合でも、約500~600万円前後の差がつきます。
安い金利で住宅ローンを組めるということは、その分物件を安く買ったのと同義です。
また、先日政府の追加経済危機対策の一環として「フラット35」の拡充が決まりました。
変更点はいくつかありますが、従来少なくとも頭金が1割必要だったルールを廃止し、100%ローンが組めるようになった点などは、非常に大きなポイントです。
(http://www.flat35.com/topics/topics_20090427.html)
昨年末から発表されていた住宅ローン減税拡充も、ようやく3月末に正式にきまりました。
全ての人が利益を最大限享受できるわけではありませんが、10年間合計で最大500万円(「長期優良住宅」の場合は600万円)は大きな魅力です。
(http://myhome.nifty.com/loan/kakutei2009/index.jsp)
■実需マーケット総評
ここからは、私見ですが・・・。
結局、消費者の方がついてこられない価格までつり上げてしまった供給側が反省をし、見肉を削りながらなんとか調整を進めてきた結果、ここ1~2年購入を見送っていた潜在客層が動き出し、政策もその動きを強力に後押ししている、といったところが現在の実需マーケットの状況だと思われます。
正直まだもう少し、全体的に価格が下がる可能性はあると思います。
ただ、もうボチボチ買い時だと言っていいでしょうね♪
不動産購入を考えている方たちは、今ぐらいから動いてちょうど良いのではないでしょうか(*^^)v
◇◇今回のまとめ◇◇
・3月の新築マンション契約率が大幅に回復。
・新築マンション価格が2年前の水準に戻る。
・低金利・ローン減税など政策は購入に追い風基調。
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