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JPMがお届けする不動産コラム 2008/11/25 vol.44
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■瑕疵担保責任
戦後に建てられ始めた日本のマンションも、年々築年数が古いマンションの数が増えており、築30年、築40年といった建物も珍しくなくなってきています。
リノベーションマンションと言っても、素材は中古住宅ですので、住んでからが心配と言う方も多いでしょう。
実際、住んでから
「配管が故障した」
「床の一部が腐っていた」なんて事になったら大変です。
特に、目視できない箇所の欠陥や故障は怖いですよね。
(これらを建物の隠れたる瑕疵(かし)と言います。)
でも、古い建物の場合だと、そういった可能性はあります。
では、運悪くそうゆう事態に遭遇してしまった場合、どうすれば良いんでしょうか?
何か保証とかってないんでしょうか・・・?
結論から言えば、保証的なものはあるのはあります。
それが、「瑕疵担保責任」と呼ばれる条項です。
これは、物件を買主に引き渡した後でも一定期間は、上記のような専有部分における建物の隠れたる瑕疵に対して、売主は責任を負わなければいけないという内容の決め事であり、必ず売買契約書と重要事項説明書に明記されます。
ただし、ここで気をつけなくてはいけない事があります。
それは、個人の方が所有者(=売主)の場合は、瑕疵担保の責任期間が物件の引き渡し後2~3か月程度しかないということです。
これが、宅建業者が所有者(=売主)の場合になると、一気にその期間は最低2年間まで延長されることになります。
この差は結構大きいです。
なぜなら、個人の方が売主であった物件の場合だと、引渡し後2~3か月経過してしまうと、何の保証もないことになってしまうからです。
ポイントとして、保証の内容は、買う物件で異なるのではなく、所有者(=売主)が誰かによって異なるんだということです。
そういった意味で、保障期間の長い業物(=業者物件)をチョイスするというのは、購入の際の一つのメリットになると思います。
■アフターサービス保証の普及
また、上記で話した保証が効く瑕疵の範囲は、基本的に「隠れたる」部分(床下とかパイプスペースの中とか、ですね)の重要な欠陥や故障についてであって、普通に目視できる部分については該当しません。
目視できる部分の設備(キッチンとか浴室とか、ですね)については、所有者が誰であったかに関わらず、通常7日間程度しか売主責任は発生しません。
非常に短い期間ですが、これは中古住宅取引の「現況有姿」の原則に基づいています。
ただ、今、私たちのような中古住宅の再販専門業の一部で、自主的にオリジナルのアフターサービス保証の提供を行う動きが拡がっています。
もちろん、当社も1年ほど前からアフターサービス保証書の発行を自主的に行っています。
保証範囲や期間は物件により異なりますが、従来の保証をはるかに上回る内容になっており、非常に好評を頂いています。
あくまでこれは企業ごとの自主的な判断によるものですが、こういったサービスの有無も購入の際の一つの目安としても良いかもしれません。
■内装代しか評価されていない実態
ただ残念ながら、そういったサービスは残念ながらあまり市場に評価されていないのが現状です。
せいぜい評価される部分は、実際にかけた内装代程度ということも少なくはありません。
市場全般にこういったサービスや違いを認知してもらえるまで、まだまだ時間が掛かるのかもしれません。
ただ、築30年を超える中古マンションのストックが加速度的に増えていくのが確定している日本の中で、こういった取り組みの必要性をいつか多くの人に認めてもらえる日は、そう遠い将来の話ではないと思います。
その日を信じて、今後も引き続きこういった取り組みを継続していきたいと思っています。
最後は少し私たちのセールストークのようになってしまいましたが(笑)、住宅購入を検討している少しでも多くの人にこういったことも、少しでも知っていただければと願っています。