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JPMクラブ会員限定コラム 2008/7/28 vol. 28
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■08年4~6月期 データ結果発表
7/23に(財)東日本不動産流通機構が、4~6月における首都圏中古マンションの成約件数が発表。
◇成約件数変動
・東京・神奈川・埼玉・千葉全体の成約件数7.449件 = 7.0%増(前年同期比)
・東京都区部の成約件数2.747件 = 15.0%増(前年同期比)
・神奈川県の成約件数2.005件 = 7.0%増(前年同期比)
特に東京都区部が突出した結果を記録し、中古マンション市場の活況ぶりを改めて裏付ける結果となりました。
翌7/24には、三井不動産販売(株)が四半期ごとに定点観測している「リハウス・プライスリサーチ」を発表。
◇住宅地の地域別価格変動率
・東京23区・・1~3月▲3.7% → 4~6月▲3.5%(0.2ポイント改善)
・横浜市・川崎市・・1~3月▲2.1% → 4~6月▲0.9%(1.2ポイント改善)
◇中古マンションの地域別価格変動率
・東京23区・・1~3月▲1.4% → 4~6月▲1.4%(変動なし)
・横浜市・川崎市・・1~3月▲0.1% → 4~6月▲0.5%(0.4ポイント悪化)
「今後、エリアによっては時間差はあるものの、住宅地・中古マンションともに価格調整が進み、価格が安定していく」と分析しました。
さらに、翌7/25に野村不動産アーバンネット(株)が首都圏住宅地・中古マンション価格の実勢調査結果を発表。
◇価格変動率
・住宅地価格・・1~3月▲3.8% → 4~6月▲2.9%(0.9ポイント改善)
・中古マンション価格・・1~3月▲1.9% → 4~6月▲1.2%(0.7ポイント改善)
「住宅地地価の値下がりに比較すると小幅な下落となっており、建築費の高騰などにより新築市場が冷え込む中で、中古マンションの優位性が評価されつつある」と分析しました。
いずれのデータを分析しても、不動産全体の価格調整が進みつつあることを裏づけ、中でも調整がいち早く行われた中古マンション市場の下げ止まり感が強くなってきたことと、取引が活発であることが顕著になりました。
■冷え込む一方の新築市場
一方、新築市場は相変わらず好材料がほとんど見あたらず、一部では「バブル不況以上にひどい」との声も聞かれる状況が続いています。
とある民間調査会社の結果によると販売価格が今より20~25%下がれば物件購入を再検討する人の割合が63.3%(ほぼ3人に2人)との結果が出ています。
実際に、新築市場の中でいち早く価格調整が進んだ(前年同期比21.1%ダウン!)千葉エリアの5月の成約率は84.3%!に急回復。
ほかの首都圏エリアと比べて20ポイント前後上回るビックリの結果となっています。
要は、高くなりすぎた価格の調整(=値引き)に「早く取り組めた中古マンション市場」と、「取り組まざるを得なかった郊外の新築マンション市場」は元気が良いということですね。
このことからも、新築マンション市場もおおよそ20%前後価格調整を行えば、販売状況自体は急激に回復することが予想されます。
ただ、以前にもお話ししたとおり、頭では分っていても出来ないのが辛いところです。
現在販売中の多くのマンションは、概ね用地を高値で仕入れてしまっています。
ようやく用地価格自体は一時より下落傾向になってきましたが、今度は建築資材がそれを上回るペースで上昇中です。
そして、そもそものマンデベの粗利益率は概ね20%程度・・。
う~ん、闇が深いです。