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JPMがお届けする不動産コラム 2008/10/20 vol.39
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■管理会社・管理人さんってどこまでエライ?
みなさんの中にはマンションには当たり前に管理人さんがいて、困ったときの便利屋さんよろしく日々のメンテナンスから、はてには将来に渡る修繕計画まで管理人さんか管理会社がやってくれると思い込んでしまっている方はいませんか?
特に、それまでが実家で暮らしていた方や、大家さんが掃除などをしてくれる借家に暮らしていた方であれば、知らなくても仕方がありませんが、それは大きな間違いです。
実際には管理会社や管理人さんが、そのマンションの全てを面倒見てくれるわけではないのです。
そもそも管理会社とは、そのマンションの所有者(=組合員)で構成された管理組合から委託された外部機関であり、管理人さんはその管理会社の社員か契約管理人であることが一般的です。
そのため、管理会社や管理人さんは、マンションの運営に関わる決定権は、何も持ち合わせていません。
あくまで委託された仕事を忠実にこなし、定期的に依頼者である管理組合に、業務報告をするのが本来の業務です。
何か迷ったときに管理会社や管理人さんに質問をすることはよくありますが、それは管理規約の内容や過去の組合で決定した議事録の内容を確認してもらうということなのです。
■自主管理ってなに?
一言で管理と言っても、実は幾つか管理体制の形態には種類があります。
この体制次第で、マンションの資産価値が上がることもありますので、是非この機会に覚えておきましょう。
まず、マンションの管理業務をどこまで誰にお願いするのかという委託形式の種類が、大きく分けて以下の3種類あります。
ちなみに、それぞれ長所・短所がありますので、「全部委託だから良い」「自主管理だからダメ」ということではありません。
◇委託形式
①全部委託・・外部機関(民間管理会社)に管理業務※の全てを委託する形態。当然、コスト(=管理費)は掛かるが最近のマンションでは一般的。
②一部委託・・外部機関(民間管理会社)に管理業務の一部を委託する形態。全部委託と自主管理の中間にあたる。
③自主管理・・組合員が協力して自らの手で管理業務を行っていく形態。設備や定期的清掃に関しては外部業者に直接委託する。組合員の意識レベルでメンテナンス状況に差がつくことが多い。
※管理業務・・管理業務は大きく分けて、①事務管理業務②管理員業務③清掃業務④建物・設備管理業務の4種類があります。(マンション標準管理委託契約書第3条)
■常駐管理と通勤管理の違いって?
また、管理会社に委託した場合の管理人さんの勤務形態も、大きく分けると3種類ほどに分けられます。
よく皆さんが目にする不動産屋のチラシにも、管理に関する記載やうたい文句が載っていると思いますが、下記のような違いのことを言っているわけです。
これも、コスト面含め長所・短所があります。
◇勤務形態
①常駐管理・・24時間体制の管理形態。中には「住み込み」での形式をとるマンションも。当然、コスト(=管理費)は掛かるので、大規模マンションに多く、手厚い管理体制が期待できる。
②通勤管理・・。週のうち、決まった曜日・時間に管理人さんが来て業務を行う一般的な勤務形態。日勤管理とも言う
③巡回管理・・週に数回程度、管理人さんが巡回で来て業務を行う。時間等は決まっていないことが多いが、世帯数が少ないマンションなどでは珍しくない。
■主役は管理組合
いずれにしても、全てを決定していくのは管理組合です。
管理組合とは、そこに住む所有者であり組合員で構成されるのです。
上記でも説明したように、それぞれ委託形式や、管理人さんの勤務形態は違いますが、一長一短あります。
それぞれの中身を正しく把握して、買ったあとにイメージとのギャップが少ないようにしておくことが一番のポイントです。