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JPMがお届けする不動産コラム 2008/10/27 vol.40
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■中古マンションの市場の実態
先日、(財)東日本不動産流通機構から第三四半期(7~9月)の首都圏における不動産取引データが公表されました。
連日、様々な不安ニュースが飛び交う中、足元の取引の実態はどうだったのか?
今年に入ってからの四半期ごとのデータ分析をしながら、振り返ってみましょう。
◇成約件数
「3Q(四半期)連続で前年同期を上回る」
第1Q(1~3月) 7.987件(07年第1Q 7818件、2.2%増)
第2Q(4~6月) 7.449件(07年第2Q 6963件、7.0%増)
第3Q(7~9月) 6.884件(07年第3Q 6584件、4.6%増)
このデータを見る限り、冷え込む新築マンション市場を横目に、相変わらず中古マンション市場の取引自体は活況を呈していることが分かります。
前期比で落ち込んでいる部分は季節変動だと思われます。
◇成約単価
「対前年同期比で5年ぶりの下落!対前期比で4年ぶりの下落!」
第1Q(1~3月) 40.46万円/㎡(07年第1Q 37.21万円/㎡、8.7%増)
第2Q(4~6月) 40.70万円/㎡(07年第2Q 37.86万円/㎡、7.5%増)
第3Q(7~9月) 39.40万円/㎡(07年第3Q 39.46万円/㎡、▼0.2%)
※対前年同期比で5年ぶりの下落!
※対前期比で4年ぶりの下落!
価格調整が進んだことが目に見える結果として、前年同期比及び前期比の両方で、それぞれ4~5年ぶりの下落、という形でいよいよ明らかになってきました。
◇成約価格
「ここ1年では最安値に」
第1Q(1~3月) 2.639万円(07年第1Q 2.407万円、9.6%増)
第2Q(4~6月) 2.657万円(07年第2Q 2.411万円、10.2%増)
第3Q(7~9月) 2.585万円(07年第3Q 2.516万円、2.7%増)
※対前期比で4年ぶりの下落!
前年同期比ではいまだ上昇していますが、この間の平均専有面積が1.85㎡増加しています。
価格的にはほぼ1年前の水準まで戻ったと言っていいでしょう。
◇在庫物件
「今年に入って過去最高水準である4万戸以上の在庫状況続く」
第1Q(1~3月) 45.212件(07年第1Q 32.102件、40.8%増)
第2Q(4~6月) 43.271件(07年第2Q 32.462件、33.3%増)
第3Q(7~9月) 41.186件(07年第3Q 35.688件、15.4%増)
前期比では減少傾向にあるものの、以前前年比では大幅な増加状態が続いており、消費者側からしてみると、選択肢が非常に多い状況が続いています。
ただ、増加率自体は減少傾向にあり、市場の品数的には今が一番多い状況と言っていいかもしれません。
■今が買いどき?
本当の意味での「買いどき」とは、個々人によって違います。
ただし、一般論的な観点から言うと、だいぶ「買いどき」に近づいてきている、と言っていいでしょう。
データが表す通り、(新築ほどではありませんでしたが・・)都心を中心に上昇を続けてきた価格がはっきりと下落基調に転じ、品数は過去に例を見ないほど豊富な状況が、今の中古マンション市場です。
一時、上昇傾向にあった住宅ローン金利も、このところは低水準で推移しています。
また、前々回のメルマガでお伝えしたとおり、価格交渉できる下地も揃っています。
私たちも現場に携わっていて、そのあたりを敏感に感じ取っている方が増えてきていることを肌で感じています。
金融機関関係者の方の購入が目立つのも、その傾向の現れでしょう。
皆さんも、常にアンテナを張り巡らして、「買いどき」を見誤らないようにして頂きたいと思います。