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JPMがお届けする不動産コラム 2008/10/14 vol.38
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■中古マンションって価格の相談が出来るの?
「価格の相談って出来ますか?」
売主の立場が多い私たちには正直厳しいご相談ではありますが、こういった質問はよくいただきます。
おそらく多くの購入検討者の方は、やっぱり一番聞きたいことなんじゃないでしょうか?
これは、今まで不動産業者が決して自ら口にしてこなかったパンドラの箱かもしれません。
しかし今回はあえてその箱を開けて、皆さんに本当のことを知っていただき、その上で上手に不動産を買っていただければと思いお話しすることにしました。
まず、結論から言ってしまえば、答えは「価格交渉は出来ます」になります。
ただし、最終的には需要と供給のバランス次第ですので、当然欲しいと手をあげる人が多ければ多いほど価格の交渉は難しくなります。
特に、ひと部屋ごとの販売になる中古マンションの場合は、誰か一人が気に入って買ってしまえばそのお部屋はそれで終わりです。
市場的にも、現在中古マンション市場は価格の調整が急ピッチで進んでおり、08年4~6月期の東京都区部においては前年比でなんと15%増!の取引件数(東日本レインズ)が報告されました。
このように現在の中古マンション市場は比較的需要が旺盛な状況下ですので、上手な交渉をしないとまとまるものもまとまらなくなってしまう可能性が高いということです。
■上手な価格交渉術 その一
まず初めにご理解いただきたいのは「交渉とムリのごり押しとは違う」ということです。
交渉とは有利な条件を引き出すために、自分の手持ちのカードを切ることであって、そのカードが相手の欲しがっているカードだと、交渉を上手に進めることが出来ますよね。
ただ残念ながら、そのあたりを分かっていないお客さまが結構多いのです。
「価格は目一杯安くして欲しい」
「引越し予定はまだ先なので、決済(=残代金の支払い)はもっと先に設定して欲しい」
「手持ちのお金はあまり使いたくないので、手付金は10万円で」などなど・・。
これでは、売主側もなかなか値引きをしてまで売る気にはなれません。
不動産取引の場合であれば、
「安くしてもらえる代わりに、決済は出来るだけ早く行う」
「安くしてもらえる代わりに、手付金は出来るだけ多く準備する」
などが買主側の有効なカードの一つになります。
買主には買主側の事情があるように、売主には売主側の事情というのがあります。
そのあたりを加味して交渉を進めると、売主側も折れてきてくれる可能性が高くなるはずです。
■上手な価格交渉 その二
ベタな話しかもしれませんが、やはり「本気さを伝えること」が、交渉を前に前に進めるポイントになってくると思います。
売主側が一番心配するのは、申し込みだけいただいて結局契約に至らないとか、一応契約までしたんだけど気が変わって手付金放棄で解約されてしまうなどといったケースです。
いずれの場合も物件の販売活動を一時中断、もしくは完全にストップしてしまいますので、その結果話しがダメになってしまった時の売主側のダメージは計り知れません。
不動産は非常に高額な買い物ですし、買主側が迷われるのは仕方ありません。
ただ、上手な価格交渉をして、より安く目当ての物件を買いたいのであれば、
「いくらまで値引きして欲しい。その代わりその条件を飲んでもらえたら、間違いなく買います!」
という姿勢が大事です。
そのような熱意がきちんと相手に伝われば、多少のムリでも「そこまでこの物件を気に入ってくれているなら」と考えてしまうのが、売主側の本音というものです。
■上手な価格交渉 その三
最後に「物件の販売期間を見極める」ことも、交渉を上手に進めるにはかなり重要になってきます。
売主が一般個人の方でも私たち業者の場合でも、ほとんどの場合「早く売りたい」という希望があります。
その上で、「出来るだけ良い条件で!」がつくわけです。
そうなると当然販売期間が長い物件であればあるほど、販売を急ぐ傾向が強くなります。
販売を急ぐということは、それだけ交渉余地があるということにほかなりません。
逆を言えば、売り出し間もない物件は交渉余地が少ないことになります。
ただし、当然一般的に誰が見ても良い物件は、早期に市場から消えていきます。
買主側からしてみると、そこが悩ましいところではあります・・。
「コッチの物件はすごく気に入ったけど、交渉が厳しそう」
「アッチの物件なら交渉は効きそうだけど、妥協しないといけない点がある」などです。
そこは市場原理が働きますので、割り切って考えることが必要です。
そのあたりを踏まえた上で交渉をしてみて下さい。
きっと上手くいく可能性が高くなっているはずです!