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JPMがお届けする不動産コラム 2009/3/9 vol.50
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寒い日と暑い日が繰り返されていますが、皆さん体調管理は大丈夫でしょうか?
それでも天気が良い日は、コートもだんだん必要がなくなってきて、春が近いことを体感できるようになってきました。
春と言えば、やっぱり新生活の始まりです。
新しい住まいでの新生活をご検討の方は、いよいよですね!
本コラムの目的は、これから不動産購入を検討している皆さまに、「購入する前に知っていただきたい」情報を業界内部の事情も含めてお伝えし、購入後に「こんなはずじゃなかった・・・!」と後悔することが少しでもないようしていただくことです。
不動産取引は不慣れな方が大半ですが、きちんと事前に知識を習得しておけば恐れることはありません。
是非、少しでも皆さんのお役に立てていただければ幸いです。
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vol.50『住宅ローン』
■現在の住宅ローン事情
先日、住宅ローンに対する政府の追加支援策が検討されることが明らかになりました。
これは、金融機関の住宅ローンの貸し渋り姿勢が明らかになってきたことを受けての対策だと私は思っています。
住宅ローンは、本来金融機関にとって20年、30年と長期にわたり利息を享受できる非常に魅力的な貸し出し商品であるはずですが、年明け以降かなり審査が厳格化されてきています。
当然、アメリカのサブプライムの教訓と言う部分もあると思いますが、むしろ年度末を控え、株価下落に伴う金融機関の貸し出し余力の低下が想像以上に深刻なのかもしれません。
そこで、今回は住宅ローン審査の時の重要な目安になる「返済比率」(私たちは「へんぴ」と言っています。)について簡単にご説明したいと思います。
■返済比率とは?
まず、返済比率とは、年間負担額÷年収で求められる年間での返済負担率のことを指ししめします。
例1) 年間返済額100万円÷年収400万円=返済比率25%
例2) 年間返済額150万円÷年収400万円=返済比率37.5%
といった具合です。
当然、この比率は低ければ低いほど、余裕をもって返済できることを意味し、多くの金融機関では融資基準の上限が40%位までだと思われます。(ただし、これは40%までならOKということではなく、逆に40%以上ならまず貸さないという意味です。)
また、年間負担額は住宅ローン以外の負担額、例えば車のローンとかカードローンといったものも全て加えて計算するのが普通です。
例)年間返済額186万円(住宅ローン150万円+車のローン24万円+カードローン12万円)÷年収400万円=返済比率46.5%!
そうなるとすでに何かのローンを抱えている方は、その分も考慮したうえで自分の借りられる金額=購入可能な価格帯を考えねばなりません。
■適正比率とは?
では、実際にどの位の返済比率が目安になるのでしょうか。
一般的にはよく25%程度が無理なく購入できるラインと言われていますが、本当にそうでしょうか?
私から言わせていただくと、「25%以内です!」と一言で片付けてしまうにはあまりにも無理があるというか、乱暴な説明です。
なぜなら、年収400万円の方と、年収800万円の方では同じ25%でも全然意味が違います。
例えば、とある金融機関の審査基準の設定では、
年収300万円以下・・25%以内
年収400万円未満・・30%以内
年収700万円未満・・35%以内
年収700万円以上・・40%以内
となっています。
また、返済比率が高めでも、頑張って短い期間で返済することを目指すのであれば、そちらの方が総返済額自体は少なくて済みます。
確かに返済比率は低ければ低いほど、安全性が高いことに違いはありませんが、「25%」というのはあくまで一つの目安として考えるのが良いかと思います。
※最後に・・。
年明け以降のローン審査の厳格化にともない、金融機関によってずいぶんと評価の仕方にばらつきが見られるようにもなってきました。
「A銀行では審査が否決されたのに、B銀行では即日OKが出た」なんて話もしょっちゅう耳にします。
本当に欲しい方や心配な方は、あらかじめ複数行に申し込みを掛けることをおすすめします。
◇◇今回のまとめ◇◇
・返済比率=年間負担額÷年収
・一般的な購入基準となる目安は25%前後だが、最終的にはケースバイケース。
・金融機関によって審査結果にばらつきがみられます。
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