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JPMがお届けする不動産コラム 2009/3/30 vol.51
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年度末を迎え、いくらか株価の回復がみられるようになってきましたね♪
ただ、「まだまだ、ここからが本当の正念場!」と言う方もいれば、「いやいや、逆に100年に1度のチャンスだ!」などと言う方もいてさまざまです。
いったい何が本当なのでしょう?
今回は、不動産マーケットにおける価格調整の側面をお話ししたいと思います。
本コラムの目的は、これから不動産購入を検討している皆さまに、「購入する前に知っていただきたい」情報を業界内部の事情も含めてお伝えし、購入後に「こんなはずじゃなかった・・・!」と後悔することが少しでもないようしていただくことです。
不動産取引は不慣れな方が大半ですが、きちんと事前に知識を習得しておけば恐れることはありません。
是非、少しでも皆さんのお役に立てていただければ幸いです。
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vol.51『価格調整の裏側』
■公示地価↓全面安↓
先日、公示地価の発表がありましたね。
ニュース・新聞などでご覧になった方も多いかと思いますが、3年ぶりに前年を下回る下落一色になりました。
この公示地価は、今年の1月1日時点での評価になりますが、内容を見ても土地用途(商業地とか住宅地とか)問わない全面的な下落に加え、急上昇した都心では軒並み二桁以上の大幅下落を記録し話題となりました。
私たちの地元の神奈川県においては、8年ぶりに1.441地点全てで前年比マイナスになるなど、その下落ぶりは顕著です。
ただ、こういった表面的なニュースばかり見ていると、マイナス要素しか見当たらない感じがしてしまいますが、現場にいる私たちの肌感覚はちょっと違います。
不動産取引の現場で今何が起きているのか?
今回は買いどきが気になる皆さんのために、「価格調整」の実態を掘り下げてみたいと思います。
■適正価格に近づく急ピッチな価格調整
下落率が大きいと聞くとそれだけで暗い気分になりがちですが、見方を変えればそれだけ価格調整が急ピッチで進んでいることになります。
急ピッチで価格調整が進むということは、それだけ急ピッチで適正価格に近づいていることを意味しています。
不動産流動化など実需とかけ離れた取引は、買い手不在の状況(もしくは買い手はいても資金調達が困難な状況)が相変わらず続いており冷え切ったマーケットになってしまっていますが、実需ベースの取引は、中古マーケットをけん引役にいち早く活況を取り戻しつつあります。
■マーケット別に見る価格調整
ではなぜ、中古マーケットがいち早く価格調整が進み、活況を取り戻したのでしょうか?
これにはちゃんと理由があります。
まず、新築マーケットの場合、価格の決定権は事業主(=売主)側にあります。
事業主の最大の目的は、当然収益をあげることです。
ちょっと乱暴に言ってしまうと、事業主側の「(適正価格はさておき)この位の価格までなら、消費者がついてきてくれるだろう」という前提で決まっていくわけです。
ところが、中古マーケットの売主のほとんどは一般個人の方です。
どうしても経費をペイしてさらに利益を稼がなければいけない企業に対して、個人の方の売却動機は、住み替えであったり諸事情による処分であったりと、実際の生活する上での必要なニーズ(=実需)に基づいていることがほとんどです。
少しでも高く売りたいのは企業も個人も変わりませんが、実需目的の中古マーケットの場合は売れないとその目的を達成できないわけで、「売れる>儲かる」の図式になります。
新築マーケットだって、もちろん最終的には売れなきゃ困る(現に今、困っています・・)訳ですが、図式的には「売れる<儲かる」と、どうしても逆になりがちです。
ここに価格調整のスピードが異なる理由があります。
また、もう一つ理由を挙げるとすれば、それは販売するボリュームにも原因があります。
どうしても販売戸数がまとまる新築の場合、一口に10%の値引きと言っても、×(かける)世帯数分となると莫大な損失を覚悟しなければなりません。
例えば、平均価格5000万円の物件を50世帯分、それぞれ10%値引きすると、500万円×50世帯=2億5千万円!の損失になります。
これに比べると中古の場合は、基本的な取引単位は1戸ずつですので、新築に比べるとはるかに調整はつきやすいわけです。
このあたりを理解しながら物件探しをしてみると、ターゲット別に取得するタイミングの見極めなどに役立つかもしれませんね。
次回はもう少し、具体的に最新のマーケット情報をお届けしたいと思います。
◇◇今回のまとめ◇◇
・急ピッチな価格調整=急ピッチで適正価格に近づいている。
・実需目的の中古マーケットは価格調整が早い。
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