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JPMがお届けする不動産コラム 2008/9/29 vol.36
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■直近の販売価格状況
直近の首都圏における新築マンションと中古マンションの価格を比較してみましょう。
◇新築マンション・・4.799万円、67.6万円/㎡ (不動産経済研究所、08年8月度)
◇中古マンション・・2.657万円、40.7万円/㎡ (東日本レインズ、08年4-6月度)
中古は新築に対して本体価格で約5割、㎡単価では約4割も割安であることが分かります。
また、以前からお伝えしていた価格調整ですが、遅々として進まない新築マンションを尻目に中古マンションの価格調整は急ピッチに進んでいます。
以下は、今年に入ってからの中古マンションの価格の推移です。
◇中古マンションの月別価格推移 (東京カンテイ 70㎡換算価格)
01月 首都圏3.230万円 23区4.705万円 横浜市2.859万円
02月 首都圏3.217万円 23区4.728万円 横浜市2.880万円
(↑直近ピーク) (↑直近ピーク)
03月 首都圏3.267万円 23区4.694万円 横浜市2.867万円
(↑直近ピーク)
04月 首都圏3.236万円 23区4.622万円 横浜市2.840万円
05月 首都圏3.202万円 23区4.534万円 横浜市2.835万円
06月 首都圏3.165万円 23区4.486万円 横浜市2.820万円
07月 首都圏3.143万円 23区4.462万円 横浜市2.753万円
08月 首都圏3.082万円 23区4.389万円 横浜市2.753万円
直近のピークであった今年の2~3月からの下落率を調べると、8月時点ではそれぞれ、首都圏▼5.7%、23区▼7.2%、横浜市▼4.5%となっています。
■取得にかかる特別なコスト
新築マンションの取得に掛かって中古マンションに掛からない、もしくは中古マンションの取得に掛かって新築マンションには掛からない費用って何があるのでしょうか。
本体価格はもちろん住宅ローン関係や税金関係は、どちらのケースでも掛かりますので、それ以外の部分に焦点を絞って比較してみます。
まず、新築マンションの場合、「修繕積立基金(ききん)」があります。
これは、入居後に毎月負担する「修繕積立金」を補う目的の費用ですが、だいたい30~40万円前後の金額を入居時に一括で求められることが多いようです。
一方、中古マンションの場合、「仲介手数料」があげられます。
中古マンションの多くの場合、所有者は個人です。
そのため、売主と買主を仲立ちする仲介業者が、物件の紹介から契約まで取り扱うのが一般的です。
仲介手数料は、ほとんどの場合、売買金額の「3%+6万円(税別)」で計算されます。
■それぞれのメリット・デメリット
「立地は中古」
「構造・工法は新築」
などと一般的に言われているメリット・デメリットはありますが、結局はそれぞれのマンション次第だと思われます。
その中でも、両者の大きな違いをあげるとすると、「中古は現物を確認出来る」という点です。
最近では、開発に時間が掛かる大規模な新築タワーマンションなど完成前に販売をする物件が増え、それとともに「説明を受けていた眺望と異なる」「目の前に別の建物が建って景観が悪くなった」などの完成後のクレームが急増しています。
この問題を受け、国土交通省は来年度にもガイドラインを策定することを決めた程です。
その点、既にそこに建ちあがっている中古マンションであれば、日当り・眺望・騒音はもちろん、ある意味一番重要な管理状況も自分の目で確認することが出来ます。
特に管理組合がまだ機能していない新築マンションの場合は、管理会社は分譲会社のグループ企業に指定されていることが多く、当初の積立金の設定も実際に掛かるコストより低めに設定してあることもしばしばです。(当初から費用負担が大きいと販売しづらいので・・。)
それぞれ長所・短所は必ずあります。
「どちらが良い」なんて絶対に一言では言えません。
正確に両者の違いや特徴を理解した上で、どちらが自分のライフスタイルに適しているのか比較検討を進めていただくのが最善策だと思います。