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JPMがお届けする不動産コラム 2008/9/15 vol.34
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■コスト面
結論から言ってしまうと、両者の支払い総額にそれほど大きな差は出ません。
もちろん、シュミレーションの組み方でいくらか変わりますが、「賃貸だから負担が軽い」「持ち家だから負担が重い」ということは言い切れません。
ただし、賃貸の家賃は「死ぬまで払い続けなくてはいけない性格」の費用に対し、持ち家のローンは「いつか終わりが来る性格」の費用という違いは事実です。
また、住宅ローンを組んだ時の月々の支払い額の目安を知っておくと、比較検討の際に大変役に立ちます。
実際には住宅ローン金利も毎月変わりますので一概には言えませんが、下記の数字を参考にして頂いてOKです。
【月々の支払額の目安】
◇100万円の住宅ローンを組んだ場合、約3.200円
◇1.000万円の住宅ローンを組んだ場合、約32.000円
◇3.000万円の住宅ローンを組んだ場合、約100.000円
※現行の都銀の基準金利に通常の優遇金利を考慮。ボーナス払いはなし。35年ローンで想定。
マンションを購入した場合は、上記のローンの支払い以外に、管理費と修繕積立金が毎月掛かってきますので、それを上乗せすると大体の目安になるはずです。
■居住性
物件により差はありますが、一般的に質においては分譲マンションに分があります。
分譲マンションは、常に日進月歩で最新の設備・工法を取り入れていきます。
(そうしないと売れないので・・。)
それに比べると賃貸マンションは、目に見えるところはそれほど差を感じなくても、構造体や工法においては分譲マンションに比べると見劣りしがちです。
(取れる家賃にそれほど影響が少ないことが原因でもあります・・。)
特に『音』に関してのクレームは賃貸の方が、圧倒的に多くなります。
小さなお子さんがいるご家庭では、この問題は大きな問題になるかもしれません。
住居の質を重要視するのであれば、分譲マンションをおすすめします。
■将来の見通し
平成13年に「高齢者の居住の安定確保に関する法律」が制定され、高齢者であることを理由に居住を拒まない賃貸住宅(高齢者円滑入居賃貸住宅、高齢者専用賃貸住宅など)の斡旋などが進むようになりました。
しかし、こういった制度が出来た背景には、やはり高齢者に方には、一般の賃貸住宅は借りづらいという事実があるのです。
今後、高齢者の方を助成する動きがどこまで浸透していくかはまだ分かりません。
また、もし仮に、住める住居があったとしても、それが希望の住居や場所であるかは別問題です。
賃貸で暮らし続けることを選んだ場合、そういった心配がついてまわることは否定できません。
その点、持ち家であれば少なくとも、そういった部分の心配はないでしょう。
■ライフスタイルに応じて選ぶ
最終的にはそれぞれのライフスタイルに応じて、賃貸と持ち家と、どちらが適しているかは変わってきます。
例えば、仕事柄転勤が多い方などは、持ち家より賃貸の方が向いているかもしれません。
また、一つの場所に長く住むことを嫌う方であれば、自由度が高いのはやはり賃貸です。
住居のメンテナンスなども、賃貸であれば基本は家主さん任せで済みます。
また、住む家族構成が単身者・DINKSなどの場合と、お子さんがいるファミリーの場合でも考え方は変わります。
一般的に広い居室スペースになればなるほど、賃貸は割高になります。
前述した構造体の質の違いなども考えると、お子さんがいるファミリーであれば、分譲の方が適していることになります。
あと、そのような考え方が良いか悪いかは別にして、ある年齢を過ぎてくると、賃貸か持ち家かによって社会的信用度が変わることも事実です。
いずれにしても、それぞれのメリット・デメリットをしっかり把握した上で、どちらが住居の形がふさわしいのか考えることが重要です。