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JPMがお届けする不動産コラム 2008/9/8 vol.33
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■人生における3大出費
皆さんは日本人の生涯獲得賃金(新卒から定年退職まで)っていくらかご存知でしょうか。
厳密には働く企業規模によっても異なりますが、高卒男子の平均で約2億2000万円、大卒男子の平均で約2億9000万円というデータ(ユースフル労働統計・労働統計加工指標2008)が出ています。
「養育費」「住宅費用」「老後資金」は、人生の3大出費と言われています。
一生で稼ぐお金のうち、どこに何パーセント割り振るのか『人生のポートフォリオ(資産構成)』をしっかりと考える必要があります。
まず、「養育費」は、公立・私立で差はありますが、一般的に子供ひとりあたり2000~3000万円程度は掛かると言われています。
次に、「老後資金」も、夫婦ふたりで余裕のある暮らしには月額約40万円程度掛かると試算されていますので、年間約500万円程度はみておきたいところです。
もちろん年金収入を考慮することは出来ますが、ご存知のように年金制度自体、将来的な見通しは不透明です。
さて、「住宅費」はどうでしょう。
上記の2つに比べると、選ぶ住宅によってコストコントロールが効きやすいセクションと言っていいでしょう。
賃貸か持ち家か、戸建てかマンションか、新築か中古か、選択肢は様々です。
■住まいの選択肢
所得する住宅の種類によっても異なりますが、住宅を取得する購入者の平均年齢は、おおよそ30歳代中盤です。
仮に35歳で住宅を取得したとして、日本人の平均寿命である80歳まで45年あります。
この間、どういった住まいに暮らすのか。
それぞれの場合を想定してみます。
【賃貸か持ち家か】
仮に賃貸で一生暮らしたとすると、総支払額自体は持ち家に住んだ場合と比較して、正直あまり大差はありません。(データは色々ありますが・・。)
ただ、
「最終的に手元に残る資産があるのかないのか」
「高齢になった時にはたして住宅が借りられるのかどうか」
「社会的信用があると見られるかどうか」
などといった問題は、考慮しないといけないでしょう。
【戸建てかマンションか】
戸建ての場合だと、法定耐用年数で約20年、実際の住宅寿命で約30年ですから、新築を建てたとしても亡くなるまでの間に一度は建て替えが必要になります。
直近の首都圏における平均価格が4.682万円(不動産経済研究所)ですから、建て替えまで含めると結構な金額が必要になります。
【新築か中古か】
おおよそ車でも不動産でも新しいものの価格下落率は、中古のそれと比べると激しくなります。
たとえば新築と築5年のマンション、築20年と築25年のマンションとでは、同じ⑤年間という経年でも、圧倒的に前者の方が価格の下落率は激しくなります。
その乖離幅を考慮すると、一般的に中古マンション(特に好立地など資産性が高いもの)のコストパフォーマンスの方が高いと言えます。
最終的にその判断基準は、個々の価値観や経済状況によって異なるので正解はありません。
ただし、衣・食・住だけは、生きていくうえで必ず掛かる最低コストです。
限られた収入の中で、「何にいくら掛けて、何をいくら削るのか」。
しっかり考えて住まいの選択をしたいですね。