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JPMがお届けする不動産コラム 2008/6/9 vol. 21
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■住宅ローン金利が上昇?!
一般的に住宅ローンは、国債金利に連動します。
世界的なインフラ懸念で、長期金利がジワジワ上昇傾向にある今、主要行の6月のローン金利も軒並み上昇しました↑↑
これで、金利の引き上げは2ヶ月連続になりました。
ちなみに主要行の6月適用金利は、変動金利で2.875%、3年固定で3.55%、10年固定で3.95%~4.05%です。
特に3年固定では、13年ぶりの高水準です。 今後の見通しは不透明ながらも、上昇余地はまだあると考えておいた方が良さそうです。
■1%で約730万円も支払額が増える?
では、実際に住宅ローンの金利が変わると、どの程度返済額に影響が出るのでしょうか? 数千万円もの大金を借りることが多い住宅ローンにおいて、わずかな金利差でも最終的には大きな差がつきます。
分りやすい例を挙げて検証してみましょう。
例えば、3000万円の住宅ローンを金利が3%の時と、4%の時に借りたとしましょう。
(元利均等返済・35年・完全固定金利の場合)
・3%の場合・・月々返済額11万5455円、総返済額4850万円
・4%の場合・・月々返済額13万2832円、総返済額5579万円
その差額はなんと約730万円にもなります。
もちろん、実際の住宅ローンには、金利のタイプ別の商品(全期間固定型・固定期間選択型・変動型)や、ボーナス払いを併用するケースとそうでないケースなどがありますので、一概には上記どおりの差額がつくとは限りません。
ただし、低金利での借入れは圧倒的に有利であることには変わりません。
■住宅ローンは若いうちに組むべき?
長期間(最長35年間)の返済が伴う住宅ローンは、出来るだけ若いうちに組んだ方が良いと言われています。
一般的な住宅ローンの完済年齢に制限(概ね80歳)があることが理由の一つですが、実際にはその年齢まで返済を続けていくことは厳しいといわざるを得ません。
また、ほぼ強制で加入を義務付けられる団体信用生命保険(返済期間中に死亡した場合など、残りのローンがチャラになる)の付加価値なども理由の一つです。
そのあたりを考慮すると、早めにローンを組んで、余裕が出来た時に繰上げ返済や借り換えなどのテクニックを駆使する手法がおすすめと言えます。
■ポイントは物件価格と総支払額の2つ!
現在、首都圏における不動産は価格調整局面に入ったと言われております。
特に、前号のメルマガでもお伝えした通り、中古と比べて上昇率が著しい新築物件は、一部で今後値下げが行われるかもしれません。
(おそらく、デベロッパーの体力を考えると、したとしても、5~10%程度がいいとこだと思われますが・・・。)
ただ、今後も金利上昇が予想される現在では、物件価格は下がっても、総支払額は逆に増えてしまう可能性もあります。
これから、新築にせよ中古にせよ、住宅の購入を考えている方は、物件価格の動きと金利の動きを両睨みで考えておく必要があります。
ポイントは物件の本体価格と、総支払額の2つと心得て下さいね。