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JPMがお届けする不動産コラム 2008/6/30 vol. 24
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■まずはともあれ『繰り上げ返済』
住宅ローン借入れ後、返済の負担を減らす方法として、一般的かつ効果的な方法が『繰り上げ返済』という方法です。
簡単に説明すると、ローンの返済期間中にまとまった資金を利用して(返済にあてて)、当初の計画していた返済負担を軽くしようという方法です。
この『繰り上げ返済』自体は耳にしたことがある人も多いかもしれません。
ただし、実は、この繰り上げ返済には2種類のやり方があるのをご存知でしょうか。
①期間短縮型
コチラの方法は、当初組んだローンの返済期間を短くするというやり方。
例えば35年ローンを30年に、とかですね。
この場合ですと、その5年間分の返済予定だった金利分の負担が無くなることになります。
②返済額軽減型
コチラの方法は、返済期間はそのままに毎月の返済額を軽くするというやり方。
例えば、3000万円の借入れ額を2800万円に、とかですね。
この場合ですと、200万円分の完済までの金利負担が無くなることになるわけです。
仮に同じまとまった金額を繰り上げ返済にまわした場合、①の返済期間短縮型の方が金利分の負担が軽くなります。
例えば、借入れ額3000万円、金利3%、返済期間35年ローンを組んだ場合、5年後に約10万円を繰り上げ返済にまわしたとします。
その場合、
・返済期間短縮型・・毎月の返済額は変わらずに、残りの返済期間が30年から28年4ヶ月に短縮することが可能です。その場合の軽減利息は約140万円。
・返済額軽減型・・残りの返済期間30年は変わらずに、月々の返済額が約11.5万円から約11.1万円に軽減されます。その場合の軽減利息は約50万円。
同じ100万円でも約90万円も差がつきます。
この差は大きいですよね。
■キャンペーン金利を使うべし
住宅ローン金利は上昇基調ですが、各銀行とも中小企業向け融資が伸ばせない中、個人向け融資の筆頭である住宅ローンは是が非でも獲得したい収益源です。
そこで、長期金利に連動してしまう住宅ローンの基準金利を、実質的に下げる方法として、キャンペーン金利の適用が定着しています。
内容はそれぞれ異なりますが、一定条件を満たした借り手には基準金利から一定幅を引いた優遇金利を適用するケースがほとんどです。
タイプは大別すると以下の2パターン。
①当初大幅優遇タイプ
当初の一定期間、店頭の基準金利より大幅に優遇されるタイプ。
当然、期間終了後の優遇幅は小さくなる。
②全期間(通期)一定優遇タイプ
借入れ時から返済終了時まで、同じ幅で優遇されるタイプ。
どちらが一体得なのでしょうか?
その間の貯蓄のメドがつく方であれば、①の当初大幅優遇金利をチョイスして、返済負担が少ないメリットを最大限に活かし、期間終了時にガバっと繰り上げ返済出来るとベストですね。
逆に、将来的に収入が増える見込みがそれほど多くない方であれば、計画の立てやすい全期間一定優遇タイプの方が安心できます。
いずれにしても、総返済額は選ぶタイプ・期間によって異なりますので、一概にどちらが得とは言い切れません。
自分の現在と将来のライフプランをよく考えていただいてのチョイスが、大原則です。
■最近の面白い住宅ローン商品
・「子育て応援制度」・・子供が一人生まれるごとに金利を0.1%下げる住宅ローン。(ゆうちょ銀行)
・「ロング・エスコート」・・家事・育児・介護サービスの優待、ホテル・リゾート施設の割引など女性向け住宅ローン。(横浜銀行・千葉銀行)
・「エグゼリーナ」・・出産後1年間金利を0.1%優遇するなど、働く女性を応援する女性専用住宅ローン。(中央三井信託銀行)
・「凛」・・保証料無料・繰り上げ手数料無料になる女性向け住宅ローン。(りそな銀行)
など、特に女性を支援する内容の商品が多いようですが、このほかにも金融機関別に多種多様の住宅ローンの商品が開発されています。