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JPMがお届けする不動産コラム 2009/7/13 vol.57
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先日発表された09年の公示地価は全国全用途で3.5%マイナスと3年ぶりの下落を記録しましたが、以前にお話ししたことがあるように公示地価とはその年の1月1日時点での計測値であり、正直「ずいぶん昔の話」です。
今回は直近のデータ分析と、現場で私たちが肌で感じているマーケットの様子をお話ししたいと思います。 !(^^)!
※本コラムの目的は、これから不動産購入を検討している皆さまに、「購入する前に知っていただきたい」情報を業界内部の事情も含めてお伝えし、購入後に「こんなはずじゃなかった・・・!」と後悔することが少しでもないようしていただくことです。
※不動産取引は不慣れな方が大半ですが、きちんと事前に知識を習得しておけば恐れることはありません。
是非、少しでも皆さんのお役に立てていただければ幸いです。
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vol.57『マーケットの様変わり模様』
■4~6月期のマーケット速報・データ分析
実際に私たち現場に携わるものとしては、この3ヶ月は大きく潮目の変化を感じる時期になりました。
実需を中心とする中古マンションマーケットは、今や物件によっては反転上昇がおき始めていると言っても過言ではないでしょう。
各データで、首都圏における中古マンションのこの3ヶ月の数値を分析してみましょう。
◇成約件数
4月 2.571件(前年比6.9%プラス)
5月 2.649件(前年比9.2%プラス)
6月 2.829件(前年比8.0%プラス)
全ての月で前年を大幅に増加。
詳細エリアで見ると、神奈川県の5月は前年比12.0%プラス、東京都の6月は前年比12.6%プラスと、ふた桁以上の増加率を記録した地域・時期もありました。
◇成約平均価格
4月 2.458万円(前年比7.6%マイナス、前月比1.7%マイナス)
5月 2.495万円(前年比6.5%マイナス、前月比1.5%プラス)
6月 2.481万円(前年比6.1%マイナス、前月比0.6%マイナス)
相対的に相場が高かった前年比では下落が続いていますが、下落率の縮小は明らかで、年初の1月の成約平均価格が2.480万円だったことを踏まえても、実質的には今年に入ってはほぼ横ばい状況が続いています。
◇新規販売物件の登録件数
4月 11.093件(前年比24.4%マイナス)
5月 10.576件(前年比26.2%マイナス)
6月 10.614件(前年比25.7%マイナス)
10.000件割れ寸前の水準まで売り物が減りました。
直近のピークは20年3月の15.415件で、その時から比べると、実に3割以上も落ち込んでいます。
また、10.000件を割り込む水準は、平成18年まで遡らないと記録が無く、販売が不調で売り物が多かった前年とは正反対の形相になっています。
■09年上半期を振り返って
通常、不動産売買において、1~3月が「繁忙期」と呼ばれ一年間の中で一番忙しい時期になります。
今年の動きを振り返ると、1~2月は問い合わせをしてくるお客さまは結構いましたが、実際に成約には結びつかず「様子見」の雰囲気が色濃かったように思います。
株価も下落傾向に歯止めが掛からず、社会全体を覆っていた信用不安が、購入者の決定を鈍らせていたのかもしれません。
それが3月に入ってから、相次ぐ住宅取得に関する優遇策も功を奏したのか、急激マーケットが動き出しました。
私たちとしては嬉しい状況ではありましたが、例年であれば4月に入ると取引が一服する傾向が強い為、いつまで好況が続くのか半信半疑でもありました。
ところが、今年は4月に入っても5月に入っても取引が弱める気配を一向に見せるどころか、物件によっては申し込みが重なり買いあがるような事態までおき始めました。
その結果、この数ヶ月でマーケットの在庫もほぼ一巡し、物件によっては早くも反転上昇したものが出始めてきたというのがリアルタイムな現場での状況です。
■09年下半期の予想
こうして上半期を振り返ってみると、1~2月が底で、3月以降は完全にピークアウトし、今や上値を探り始める動きが見られ始めていると言っていいでしょう。
とは言っても、景気の不透明感も残る中で年内に関していえば、極端な値上がりまではないと思いますが、価格の下落傾向は完全に底打ちするでしょう。
なぜなら、上記の供給量(新規登録件数)を見ても分かるように、今や中古マーケットは買い手市場から売り手市場に変わりつつあるからです。
実は、中古のマーケットは新築のマーケットと別物ですが、連動しています。
新築マーケットが縮むと、買い換え希望客が減り、中古マーケットも縮みます。
年初の時点で、前年比1割以上は増え49.000戸前後であろうと言われていた首都圏における新築マンションの供給数は、5末時点で前年比マイナス3割程度と予想以上に供給が伸びていません。
先日発表された直近の09年通年の予想供給数は、15年ぶりの低水準であった前年からさらに1割以上マイナスになり、3万戸台になるであろうと大幅に下方修正されました。
これは消費者の方から見ると、単純に選択肢が大幅に減ったことになります。
特に05年までは約10年間続けて8万戸台の供給数があったことを考えると、今や当時の半分以下です
私は、年初から本コラムでも「今年は買い時です」と言ってきましたが、ようやくそれがマーケットにもハッキリと表われてきました。
各政策も強力に後押ししてくれている今は、間違いなく「買い時」だといって良いでしょう。
住まい探しを検討されている方は、決断のタイミングを間違えないようしていただきたいと願っています。(^^♪
◇◇今回のまとめ◇◇
・中古マンションマーケット好調!
・2月が底。
・買い手市場から売り手市場への傾向が。
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