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JPMがお届けする不動産コラム 2008/9/22 vol.35
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■コスト面
まず、価格について比較検討してみましょう。
【08年上半期 首都圏における平均価格 ※新築】(不動産経済研究所)
・建売住宅 4.634万円
・マンション 4.820万円
となっています。
もちろん、立地も広さも違うので単純な比較だけでは、判断が難しい部分がありますが、取得価格面だけでみれば極端な差はなさそうです。
また、上記の取得価格のほかにコストに影響を及ぼすのが、メンテナンス費用です。
通常、分譲マンションの場合、毎月の管理費・積立金を支払う代わりに、メンテナンスに関しては管理会社に委託するのが一般的です。
それに比べると、戸建て住宅の場合は、毎月掛かるメンテナンス費用はない代わりに全て自分で行わなくてはなりません。加えて大規模な補修が必要になった際の費用負担は大きな金額になりがちです。
■寿命
まず、税法上で定められた法定耐用年数で比べると、
・木造住宅 22年
・鉄筋コンクリート 47年
と定められています。
ただし、この法定耐用年数とは、あくまで税法上の建物償却期間を指し示す期間であり、実際の建物の耐用年数とは異なります。
実際の耐用年数はと言うと、日本の木造戸建ての住宅寿命は約26年、住宅金融公庫利用者の建て替え平均年数でも約32年というデータが出ています。
住宅の取得平均年齢が約36歳(2002年、国土交通省)であることを考えると、この寿命期間だと死ぬまで持たない計算になります。
マンションの場合は、以前メルマガにも書いた(第17号「マンションの寿命って?」参照)ことがありますが、戦後に建てられた物件が大変なので、寿命を算出できるほどの十分なデータが無いのが実情です。
ただし、もともとの品質・メンテナンスによって差はありますが、理論上は60~100年程度もつと言われています。
■居住性
防犯性に関しては、マンションに分がありそうです。
特に、築浅の分譲マンションの場合は、指紋錠や防犯カメラなど、かなりセキュリティーに関する設備が整っている物件が増えています。
もちろん戸建てでも同様の設備の導入は可能ですが、かなり初期費用が掛かります。
また、カギ1本で外出できるメリットを感じている人も多いようです。
次に、ワンフロアーが多いマンションの場合だと「お掃除が楽」「高齢者に優しい」と言った声も多く聞かれます。
そのほかにも大規模マンションの場合だと、キッズルーム・シアタールーム・ゲストハウス・コンシェルジュサービスなど、なかなか個人の戸建てでは実現できないような施設やサービスが受けられる魅力もあります。
■立地&資産力
戸建てとマンションで、どっちの資産性が高いとは一概には言えません。
ただし、「駅近」という立地に関しては、一般的にはマンションに軍配があがります。
当然、この立地性によって将来的な流通性が大きく異なります。
やはり駅に近ければ近いほど、将来的に賃貸にまわすにしろ、売却するにしろ有利になるのは間違いありません。
このことからも将来、何らかの事情で引越しの可能性が高い方であれば、好立地のマンションが適している住まいと言えます。
逆に、永住のつもりで住まい選びをされる方であれば、静かな郊外の戸建てが適している住まいとも言えます。
前号の「賃貸派vs.持ち家派」でもお話ししましたが、最後はやはりその人のライフスタイルによって、最適な住まいの形は異なります。
そのためにも、自分たちの暮らしにおける優先順位をつけることが、非常に大事になってくるのです。
「何を選んで、何を捨てるのか」
ご家族でじっくりと話し合いをしてみて下さい。